夏になると「食欲がない」「何を食べてもおいしく感じない」という方が増えます。60代になると消化機能も変化するため、夏バテによる食欲不振が長引きやすくなります。でも食べないでいると体力が落ち、さらに夏バテが悪化する悪循環に。今回は、食欲がないときでも食べやすく、栄養がしっかりとれる食事のヒントをご紹介します。
60代の夏バテが起こりやすい理由
夏の暑さで体温調節に多くのエネルギーを使うと、消化機能に回るエネルギーが減り、胃腸の働きが低下します。また、冷たいものを食べすぎると胃腸が冷えて、消化力がさらに落ちてしまいます。60代はもともと消化機能が若い頃より低下しているため、夏のダメージを受けやすいのです。
食欲がないときに食べやすいもの
①そうめん・冷や麦
のど越しがよく、食欲がないときでも食べやすい定番です。ただし炭水化物だけでは栄養が偏るので、錦糸卵・きゅうり・ハム・めかぶなどのトッピングで栄養をプラスしましょう。
②冷ややっこ
豆腐は高タンパクで消化が良く、夏の食事に最適です。ショウガ・ミョウガ・かつお節をのせると食欲を刺激してくれます。
③梅干し・酢を使った料理
クエン酸が疲労回復を助け、食欲を刺激してくれます。梅干しをほぐしてご飯に混ぜた梅ごはん、酢を効かせたきゅうりの酢の物など、さっぱりした味付けが夏に合います。
④スープ・みそ汁
食欲がないときでも汁物は入りやすいです。具だくさんのみそ汁なら、野菜・豆腐・わかめなど様々な栄養をまとめてとれます。冷たいガスパチョ(トマトの冷製スープ)も夏にぴったりです。
⑤ゼリー・プリン
固形物が食べにくいときは、ゼリーやプリンでエネルギー補給を。市販のゼリー飲料は手軽に栄養がとれて便利です。
夏に意識してとりたい栄養素
ビタミンB1:豚肉・大豆・玄米などに含まれ、エネルギー代謝を助けます。夏バテ予防に効果的です。
カリウム:バナナ・アボカド・きゅうりなどに豊富。汗で失われやすいミネラルを補給します。
タンパク質:筋肉や体力の維持に欠かせません。食欲がないときは、豆腐・卵・ヨーグルトなど消化しやすい形でとりましょう。
冷たいものの食べすぎに注意
暑いからといってアイスやかき氷を食べすぎると、胃腸が冷えて消化機能がさらに低下します。冷たいものを食べた後は、温かい飲み物を一杯飲む習慣をつけると胃腸への負担が和らぎます。
まとめ
夏バテで食欲がないときは、無理に食べようとせず、食べやすいものから少量ずつ始めましょう。さっぱりした味付け・消化の良い食材・栄養のバランスを意識することで、体力を維持しながら夏を乗り越えられます。
私の「食欲がない日」の一日メニュー例
参考までに、私が実際に食欲のない日に食べている一日の例をご紹介します。
朝:ヨーグルトにバナナと少しのはちみつ。固形が入らない日は、冷たいみそ汁だけでも。
昼:そうめん半束に、錦糸卵・きゅうり・ちくわをのせて。麺つゆにすりごまとショウガを足すと、食が進みます。
夜:豚しゃぶを梅肉ポン酢で少しと、具だくさんのみそ汁。ごはんは小さめのお茶碗に半分。
「一日三食きちんと」と思うと苦しくなるので、食べられるときに食べられるものを。二日か三日の単位で栄養が取れていればいい、と考えると気が楽になります。
水分補給も「食事」のうち
食欲がないときこそ、水分補給が大切です。一度にたくさんではなく、コップ半分ずつをこまめに。麦茶にひとつまみの塩を足したり、経口補水液を常備しておくと安心です。みそ汁やスープは水分と塩分と栄養が一度にとれるので、夏の「飲む食事」として最強だと思っています。
作り置きで「食べるハードル」を下げる
暑い台所に立つのがつらくて食事を抜いてしまう──夏はこれが一番の落とし穴です。私は涼しい朝のうちに、きゅうりの酢の物、なすの煮びたし、ゆで卵などを作り置きしています。食欲がわかない時間帯でも、冷蔵庫から出すだけなら食べられるものです。
無理せず、涼しく、少しずつ。それが60代の夏の食事のコツです。
食欲不振が長引くときは、我慢しないで受診を
最後に大切なことをひとつ。「夏バテだから仕方ない」と思っていたら、別の病気が隠れていた──ということが、私たちの年代では実際にあります。食欲不振が2週間以上続く、体重が急に減った、微熱や強いだるさを伴う。そんなときは夏バテと決めつけず、かかりつけ医に相談してください。
「これくらいで病院なんて」と遠慮しがちですが、早めの受診はわがままではありません。何もなければ安心料、何かあれば早期発見。どちらに転んでも損はないのですから。
台所に立つ元気がない日は、無理をせずお惣菜や宅配のお弁当に頼るのもひとつの知恵です。「手抜き」ではなく「体調管理」。食べることを続けるのが何よりも大事です。
今年の夏も、食べる工夫で元気に乗り切っていきましょう。あなたの食卓に、少しでもヒントになればうれしいです。


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