はじめての恋のきっかけと出会いの記憶|実家バイトで出会った優しい彼との思い出
目次
日常の中の出会い
「なんか新しい人がバイトに来てる……」
学校から帰ってきた私は、自転車のタイヤに空気を入れようとお店に出ました。
自転車を引きながら、ふと目に入ったのは見慣れない若い男性。
「新しい人やなぁ。学生さんかな?」
そのときは、それだけの印象でした。
私は実家のお店で週に3〜4回バイトをしていました。
小さな頃からのお手伝いが、成長とともに“バイト”になり、父からお小遣い代わりにバイト代をもらうように。
家族の店でのお仕事は、気を使わない、慣れた空間での安心感がありました。
お客様と接するのも、もう当たり前の日常のひとつでした。
はじめての誘い
ある日、彼がこう言いました。
「今度、遊びに行かない?」
「えっ? 二人で?」
「うん」
「……考えとく」
異性と二人きりで出かけたことがなかった私は、どうしたらいいか分からず……
不安な気持ちのまま、次の日「その日は用事があるから行けない」と断ってしまいました。
心の中はドキドキ、ヒヤヒヤ。
誰かに誘われたのは、これが初めてのことだったんです。
心が動きはじめた日々
その日を境に、彼のことが気になるようになりました。
優しくて、なんだかいい人。少しずつ「好き」が育っていきました。
「今日も店に出よう」
彼に会いたくて、気づけば毎日のようにバイトに出るように。
バイトが楽しくて仕方がなかったあの頃。
今振り返ると、なんてウブで、なんて可愛らしい私だったんでしょう。
忘年会と大きな出来事
年末、店のスタッフみんなで忘年会をすることに。
「楽しみ! 行こう!」
でもその日、酔った彼が川に落ちて大怪我をしてしまいました。
救急車で運ばれて入院することに……。
酔っていた彼は何度も私の名前を呼んでくれて。
恥ずかしくて、でもとても嬉しくて……心の奥があたたかくなったのを覚えています。
恋のはじまり
店主の娘としてお見舞いに行った私は、彼と少しずつ仲良くなっていきました。
そして、ついに「デートに行こうか」と約束が。
それが、彼とお付き合いすることになったきっかけです。
経験から学んだこと
彼は優しくて、大切にしてくれる人に思えました。
人を選ぶことに慣れていなかった私は、その優しさに惹かれていったのだと思います。
恋愛も、人との関係も、やっぱり“経験”が必要。
はじめは誰でも不器用で、戸惑いながら歩いていくものですね。
子どもたちに伝えたいこと
彼は、決して「女慣れしている人」ではありませんでした。
だけど、だからこそ真っすぐで、心から信じたいと思えたのだと思います。
けれど、人は時として変わってしまうことがある。
それもまた、人生の中で学ぶ大切なこと。
私の子どもたちには、
自分の気持ちを大切にして
相手を見る目を育ててほしい。
そして、どんな経験もあなたの人生の糧になることを忘れないでほしい。


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