ハンドメイド販売を始めて、もう長い年月が経ちます。最初は「好きなものを作って、誰かに使ってもらえたら嬉しい」という気持ちだけでした。でも続けていくうちに、販売することの難しさや、ものづくりの本質について、少しずつ気づいてきたことがあります。今回は、ハンドメイド販売を続ける中で大切にしていることをお話しします。
「売れるか」より「使ってもらえるか」を考える
バッグを作るとき、まず考えるのは「これを手にした人が、どんな場面で使ってくれるだろう」ということです。
売れそうなデザインを狙って作るより、本当に使いやすいものを丁寧に作る方が、長く愛されるものになると感じています。使う人のことを想像しながら作ると、自然と細部にまでこだわりたくなります。
持ち手の長さ、マチの深さ、ポケットの位置。そういった使い勝手に関わるところを、手を抜かずに考えること。それが「使ってもらえるバッグ」につながると信じています。
品質に妥協しない|縫い目ひとつが作り手の名刺
縫い目がほんの少しよれていても、糸の始末が甘くても、自分が気になったものは出品しません。
「縫い目ひとつひとつが作り手の名刺になる」という気持ちで、最後の仕上げまで丁寧に向き合っています。完成品を手に取ったとき、自信を持って「これは良いものだ」と思えるものだけを届けたい。
手作りだからこそのあたたかみはありながらも、品質のばらつきがないよう心がけています。
適正な価格設定|自分が納得できる価格を大切に
ハンドメイド販売で悩みやすいのが価格設定です。「高すぎるかな」「もっと安くした方が売れるかな」と考えてしまうこと、ありますよね。
材料費・制作時間・販売手数料・送料を正直に計算すると、思ったより費用がかかっていることに気づきます。それでも「売れるために安くしよう」とは思いません。
適正な価格は、作り手が自分の仕事に誇りを持てる価格でもあります。安売りばかりしていると、作ることへの意欲が下がってしまいます。価格を下げるより、その価格に見合う品質と誠実さで伝える方が大切だと感じています。
購入してくれた方への感謝を忘れない
ハンドメイド作品を購入するとき、お客さまはたくさんの選択肢の中から選んでくれています。それはとても嬉しいことです。
梱包のひと手間、心を込めたメッセージカード、丁寧な発送。こうした小さな積み重ねが、「また買いたい」「友達に紹介したい」という気持ちにつながると信じています。
購入してくれた方への感謝を、形で伝えること。それも大切な販売活動のひとつだと思っています。
自分が好きなものを作り続けること
売れなかったとき、「もっとトレンドに合わせた方がいいのかな」と悩むこともあります。でも結局、自分が本当に好きで、作っていて楽しいものが、一番丁寧に作れると感じています。
好きなものを作り続けていると、それが自分らしい作風になっていく。そういう積み重ねが、他にはないオリジナルの世界観をつくると思っています。
ハンドメイド販売は、すぐに結果が出るものではありません。でも、大切にしていることをぶらさず続けていくことで、少しずつ自分の作品を求めてくれる人とつながっていける。それが、ハンドメイドを続けることの喜びだと感じています。
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失敗から学んだことも、正直にお話しします
きれいごとばかりではありません。私にも失敗があります。一度、納期を約束した日に間に合わなくなりそうになり、夜中まで縫って仕上げたことがありました。無事に届けられましたが、あの作品を思い出すと今でも少し胸が痛みます。急いだ縫い目は、自分にはわかるのです。
それからは、注文を受けるときに必ず余裕を持った納期をお伝えするようになりました。できない約束をしないことも、誠実さのうち。この失敗が教えてくれました。
「売れない時期」との付き合い方
販売を続けていると、ぱったり売れない時期が必ずあります。最初の頃は落ち込みましたが、今は「仕込みの季節」と呼ぶことにしています。新しいデザインを試す、写真を撮り直す、説明文を見直す。売れない時期にまいた種が、数ヶ月後に芽を出すことを、経験から知りました。
数字に一喜一憂しそうになったら、最初にいただいたお客様の感想を読み返します。「大切に使います」というあの一言が、私の原点です。
これから販売を始める方も、うまくいかない時期があって当たり前。やめない限り、失敗はぜんぶ経験になります。一緒にコツコツ続けていきましょう。
読んでくださってありがとうございます。あなたのものづくりの毎日が、今日も良い一日でありますように。
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