「続けてきてよかった」と思う瞬間が、ときどきあります。
誰かに褒めてもらえたとき、ではありません。うまくできた、とひとりで感じたとき。そういう静かな瞬間が、私にはとても大切なんです。
長い間、手を動かすことを続けてきました。子育ての合間に、夫の病気の看病をしながら、自分も体を壊して入院していたときも。
正直なことを言うと、「やめたい」と思ったことが何度もありました。
こんなに苦しいのに、なんで布を広げているんだろう。そう思いながら、でもやめられなかった。手が覚えていたから、だと思います。
ある日、近所の方が「そのバッグ、手作りですか?とても素敵ですね」と言ってくれました。
それだけのことです。でも、その言葉が胸に刺さって、しばらく離れませんでした。
泣きながら作っていた時期もあった。それでも続けてきたから、今日この人に声をかけてもらえたんだ、と思ったら、また涙が出てきました。
手仕事は、うまくなくていいんだと思います。続けることが、それ自体が意味を持つから。
これを読んでくれているあなたも、きっと何か続けてきたものがあるはず。それは、あなたの宝物です。
どうか、やめないでほしいなと思いながら書きました。
続けてきた自分を、たまには労ってあげてほしい。ゆっくり眠れる夜を作ってあげてほしい。そのために、枕ひとつ見直すのも、いいと思います。
