手仕事を続けてきてよかった、と心から思う瞬間があります。60代になった今も、ミシンに向かうたびにそう感じます。今回はそんな気持ちをそのまま書いてみます。
手仕事は「自分のペース」でできる
ミシンに向かう時間は、誰にも急かされない自分だけの時間です。体調のいい日はたくさん縫い、疲れた日は少しだけ。そのペースで40年以上続けてこられました。
会社勤めをしていたころは、締め切りや会議に追われる毎日でした。でも手仕事の時間は違います。今日どこまでやるかは自分で決められる。その自由さが、長く続けてこられた一番の理由かもしれません。セカンドライフに入った今は、その時間がより豊かに感じられます。
完成したときの喜びは、何年経っても変わらない
最初に作ったバッグのことを、今でも覚えています。縫い目がよれよれで、持ち手が少し歪んでいたけれど、それでも「自分で作った!」という喜びは格別でした。あのときの「できた!」という感覚は、60代になった今も変わりません。
むしろ、技術が上がった分、完成したときの達成感は大きくなっています。一枚の帆布が、自分の手でバッグに変わっていく過程。どこにも売っていない、自分だけの一品ができあがる瞬間の喜びは、何度経験しても新鮮です。
誰かの日常に溶け込んでいることを知ったとき
販売を始めてから、お客様から「毎日使っています」「もう5年使っています」というメッセージをいただくことがあります。そのたびに、手仕事を続けてきてよかったと、一番強く思います。
自分の作ったものが、誰かの毎日に溶け込んでいる。買い物に行くとき、お出かけするとき、大切な荷物を運ぶときに一緒にいてくれている。そう考えると、ものを作る仕事は本当に尊いものだと感じます。
年を重ねるほど、技術と愛着が深まる
手仕事は、年を重ねるほど上手くなります。20代のころには気づかなかった布の扱い方、30代で覚えたミシンの調整の仕方、40代で身についた仕上げのコツ。それが今の私の手仕事に全部つながっています。
「60代から何かを始めるのは遅い」と思っている方もいるかもしれません。でも手仕事に関しては、そんなことはありません。今日始めれば、10年後には「続けてきてよかった」と思える自分に必ずなれます。
これからも、手仕事と一緒に生きていく
ミシンがある生活が、もはや私の日常そのものです。縫っていないときも、「次はどんなものを作ろうか」と頭の中でデザインを考えています。そのわくわく感が、毎日を明るくしてくれています。
これからも帆布バッグを作り続けながら、手仕事の楽しさを伝えていきたいと思っています。もし「何か作ってみたいけど、どこから始めればいいかわからない」という方がいたら、まずは道具を揃えることから始めてみてください。
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手仕事がもたらす豊かさ
手仕事を続けることで、気づかないうちに自分の中にたくさんのものが育っていきます。集中する力、観察する目、諦めない気持ち。作品のできばえだけでなく、そういった内面の成長が、日々の生活を豊かにしてくれます。
60代になってから手仕事を始めた方も、続けてきた方も、同じように「続けてきてよかった」と感じる瞬間がきっとあります。それは誰かに褒めてもらうときだけじゃない。静かな夜に、できあがった作品をそっと眺めるとき。そういう小さな瞬間に、手仕事の価値があると思います。
まとめ:今日も手を動かそう
手仕事は、何かを作るだけでなく、自分自身を整える時間でもあります。忙しい毎日の中で、少しだけ手を動かす時間を作ってみてください。きっと、続けてきてよかったと思える日がやってきます。
手仕事をしていると、時間の流れ方が変わる気がします。日常の慌ただしさから離れて、ただ手を動かすことに集中する。その時間が、心を整えてくれます。趣味として、副業として、あるいはただ好きだから。どんな理由でも、手仕事を続けることには意味があります。これからもずっと、針と布と一緒に歩んでいきたいと思っています。
手仕事は、生涯続けられる趣味のひとつです。年齢を重ねても、できることの形は変わっても、「作ること」自体は続けられます。60代のこれからも、手を動かして、豊かな毎日を送っていきたいと思っています。
季節が変わるたびに、使う布の色や素材も変えてみると、手仕事の楽しさがさらに広がります。春夏は明るい色、秋冬は深みのある色。そういう小さな変化を楽しみながら、これからも手を動かし続けていきます。
手を動かすことで、心も動かされる。それが手仕事の魔法だと思っています。

