最近、健康保険の業務に携わる中で、よく耳にするのが「マイナ保険証ってちょっと不安…」という声です。個人情報が見られるのではないか、通帳や預金までチェックされてしまうのでは、だからマイナンバーカードは作りたくない——そうおっしゃる方がたくさんいます。お気持ちはよくわかります。でも今回は、そんな不安を少しでも和らげられるように、マイナ保険証の仕組みとメリットについてわかりやすくお伝えします。
よく聞く「マイナ保険証は不安」という声
マイナ保険証に対する不安で多いのが、個人情報の流出への心配です。病歴や薬の情報、収入、さらには預金まで見られてしまうのではないかという不安を持つ方が多いようです。こうした不安が生まれるのは、マイナンバー制度についての正確な情報が伝わりにくいことも原因のひとつです。
実はもう「収入」は見られている
マイナンバーカードを持っていなくても、健康保険の扶養に入る際には、加入条件を確認するために年間の収入がチェックされています。
扶養に入るための条件の目安:60歳未満は年収130万円未満(障害者の方は180万円未満)、60歳以上は年収180万円未満。この条件を確認するために、収入情報はすでに確認される仕組みになっています。つまり、マイナンバーカードを作らないことで情報が守られる、というわけではないのです。
預金や通帳の中身は見られない
通帳や預金の中身まで見られてしまうのでは、という心配をされる方も多いのですが、現時点ではそこまでの情報は確認されていません。収入情報が扶養条件確認のために使われており、それ以上の情報が見られるということはありません。「マイナンバーカード=監視」ではなく、行政手続きを便利にするためのツールです。
マイナ保険証のメリットとは
マイナ保険証には、いくつかの便利なメリットがあります。
①手続きがスムーズになる
病院での受付がスムーズになります。保険証の有効期限を気にする必要がなく、転職や扶養変更があっても自動的に情報が更新されます。
②過去の薬や健診情報が確認できる
マイナポータルを通じて、過去に処方された薬や特定健診の結果を確認できます。複数の病院にかかっているとき、薬の重複投与を防ぐのに役立ちます。
③高額療養費の手続きが楽になる
限度額適用認定証がなくても、窓口での支払いを自動的に上限額にとどめてもらえる手続きが簡単になります。
④確定申告が楽になる
マイナポータルと連携すると、医療費控除の明細を自動入力できるようになります。領収書を集める手間が省けて便利です。
マイナ保険証への不安を解消するには
不安を感じるのは、知らないことへの自然な反応です。まずは正しい情報を知ることが大切です。マイナポータル(myna.go.jp)では、どんな情報が登録されているか自分で確認できます。不安があれば、市区町村の窓口やマイナンバーの相談窓口に問い合わせてみましょう。
まとめ|正しく知って、安心して活用を
マイナ保険証に対する不安の多くは、制度への誤解から生まれています。実際には、マイナンバーカードがなくても収入情報は確認されており、預金や財産が勝手に見られることはありません。正しい情報を知ったうえで、便利な機能を上手に活用していただければと思います。不安なことがあれば、一人で抱え込まずに相談してみてください。
よくある疑問にお答えします
Q. マイナ保険証を使うと、病院に収入を知られてしまう?
いいえ、それはありません。病院や薬局の窓口で見られるのは、保険資格や(同意した場合の)薬剤・診療情報などで、収入や税金の情報が医療機関に表示されることはありません。
Q. マイナンバーカードを落としたら、個人情報が全部漏れる?
カードのICチップには、税や年金などのプライバシー性の高い情報は入っていません。また、暗証番号を一定回数間違えるとロックがかかる仕組みです。万一の紛失時は、24時間365日受付の窓口(マイナンバー総合フリーダイヤル)で一時利用停止ができます。
Q. 使わずに紙の保険証のままではだめ?
従来の健康保険証は新規発行が終了し、資格確認書などへの移行が進んでいます。今後の医療機関受診を考えると、マイナ保険証の利用登録を済ませておくほうが安心です。
60代の私たちが知っておきたい「使うメリット」
不安ばかりが話題になりますが、実は私たち世代にこそメリットがあります。過去のお薬の情報が医師や薬剤師に正確に伝わるので、飲み合わせの危険を防ぎやすくなります。お薬手帳を忘れても大丈夫。また、高額療養費制度の限度額を超える支払いが、事前の手続きなしで免除されるのも大きな利点です。入院や手術のとき、あの「限度額適用認定証」を取り寄せる手間がなくなりました。
制度は「知らないと不安、知れば道具」です。正しく知って、上手に使っていきましょう。
もし操作や登録に不安があれば、多くの市区町村の窓口や郵便局などでサポートを受けられます。ひとりで悩まず、対面で聞ける場所を頼ってくださいね。

