心が壊れそうだったあの頃の私へ。「よくがんばったね」と、今は心から言ってあげたい。
目次
- はじめに 〜心に残る「いやだった」気持ち〜
- なぜ、わかってくれなかったの?
- 「出たい」けど出られない、母としての葛藤
- 小さな抵抗が始まった日々
- 身体が、私の心を代弁し始めた
- あの頃の私へ、今伝えたいこと
- あとがきにかえて
はじめに 〜心に残る「いやだった」気持ち〜
「いやだった」
めっちゃいやだった。
けれど、その気持ちを口に出すことも許されず、
ただただ、毎日をこらえながら過ごしていました。
机をたたき、大きな声で怒鳴る人を前に、
私は毎晩、静かに心を閉じていきました。
なぜ、わかってくれなかったの?
- なぜ机をたたいて怒るの?
- なぜお茶碗を投げるの?
- なぜ私の「嫌だ」という気持ちに気づかないの?
何度も何度も心の中で問いかけても、
返ってくるのはさらに大きな怒りの声でした。
「出たい」けど出られない、母としての葛藤
家を出たい、自由になりたい。
でも――
子どもたちと離れたくない。渡したくない。
母子家庭としてやっていけるだけの収入もない。
誰にも頼れない。
だから「我慢する」しかなかったのです。
小さな抵抗が始まった日々
そんな中、私は少しずつ変わり始めました。
- 外に出かける回数を増やす
- 友達と飲みに行く
- 外で話を聞いてもらう
そんな些細なことが、心の逃げ場でした。
ある日、友人が言った一言――
「それ、おかしいよ!」
はじめて「おかしいんだ」と思えました。
私は間違っていない。そう思えた瞬間でした。
身体が、私の心を代弁し始めた
「なるべく家にいないようにしよう」
その想いから、昼の仕事に加えて夜のアルバイトも始めました。
けれど、無理は確実に身体に表れました。
いつの間にか、ズボンもスカートもゆるくなり――
11号サイズの私が、気づけば5号サイズに。
周りは「痩せてキレイになったね」と言いましたが、
私にはわかっていました。
これは「やつれ」だったのです。
あの頃の私へ、今伝えたいこと
今の私は60歳を過ぎ、
ようやく「自分を大切にする」人生を歩み始めました。
そして思います。
あのときの私、本当によくがんばったね。
泣きたくても泣けなかったあの日。
どれだけ苦しかったか、今の私がいちばんわかってるよ。
だからこそ、今は心から伝えたい。
もう我慢しなくていいよ。
これからは、自分のために生きよう。
あとがきにかえて
かつては人のために、自分を後回しにして生きてきました。
けれど、今は違います。
私は今、自分を大切に生きることの意味を学び直しています。
遅すぎたかもしれない。でも、本当の人生はこれからです。
楽しく、自分のために。充実した毎日を大切にしていきます。

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