老後の不安からハンドメイドへ──私とミシンの出会い

自由に

目次

  1. 再雇用と老後の不安
  2. きっかけは「バック作りをしている方」との出会い
  3. 初めての小さなバック完成の感動
  4. 「私にもできるかもしれない」──挑戦が始まる
  5. 生地選びとミシンの音に包まれて
  6. 作ることが喜びになる瞬間
  7. 誰かに渡せる幸せ、そして未来への思い
  8. 土日の朝、私を支えるハンドメイド時間
  9. ハンドメイドを始めるには?初心者向けのヒント
  10. これからハンドメイドを始めたい方へ
  11. まとめ──老後の不安から喜びへ

1. 再雇用と老後の不安

私がハンドメイドバックを始めたのは、ちょうど「再雇用」という働き方になった頃でした。
定年を迎え、これまでのように責任を持って働く立場から外れ、給与も下がり、今後の生活に少し不安を感じていました。

「この先どうしようか」
「仕事は続けるけれど、ずっとはできない」
「老後、何をして過ごせばいいのだろう?」

そう思いながら過ごしていた日々は、時間だけはあるのに、心がぽっかりと空いたような感覚でした。特に夢中になれるものも見つからず、未来を考えると漠然とした不安ばかりが押し寄せてきていました。


2. きっかけは「バック作りをしている方」との出会い

そんな時でした。偶然出会ったのが、ミシンで素敵なバックを作っている方。

初めてその作品を見た時、私は思わず「これ、本当に自分で作れるの?」と不思議に思いました。売り物のようにしっかりしたバック。それを作ったのは、特別な会社を持っている開発者でもデザイナーでもなく、まったく普通の方でした。

その方はとても話しやすく、知識や技術を惜しみなく教えてくれる人でした。ある日「一度作りにおいで」と声をかけてくださり、それが私のハンドメイド人生の始まりとなったのです。


3. 初めての小さなバック完成の感動

最初は右も左もわからない状態でした。ミシンの扱い方、生地の裁ち方、縫い方──すべてが初めて。けれど、その方はまるで親が子どもに教えるように丁寧に、手取り足取り教えてくれました。

あれよあれよという間に、気がつけば小さなバックが完成。自分の手で仕上げたバックを目の前に置いたときの感動は、今でも鮮明に覚えています。

「私にもできたんだ!」
「もしかしたら、もっと作れるかもしれない」

心の奥底で眠っていたワクワクする気持ちが、一気に目を覚ました瞬間でした。


4. 「私にもできるかもしれない」──挑戦が始まる

最初のバックが完成してからは、不思議と前向きな気持ちになりました。細かい目標を立てるより、「とにかく何か作ってみよう」という気持ちが大きくなっていきました。

バックが一つ完成するごとに達成感があり、その喜びは日常に彩りを与えてくれました。これまで「老後はどうしよう」と漠然と悩んでいた私に、「次はどんなバックを作ろうかな?」という小さな楽しみが生まれたのです。


5. 生地選びとミシンの音に包まれて

だんだんと慣れてくると、生地選びが楽しみになってきました。
お店で生地を見ていると、「この色で作ったらどんな雰囲気になるかな?」「この柄ならプレゼントしても喜ばれるかも」──そんな想像を膨らませる時間が、何よりの楽しみになりました。

また、ミシンを踏むときの音にも不思議な安心感を覚えます。カタカタというリズムが心地よく、作業をしている間は余計なことを考えずにすみます。まさに、ミシンは私にとって小さな相棒のような存在になっていきました。


6. 作ることが喜びになる瞬間

「売れるかどうか」や「うまくできるかどうか」よりも、ただ「作ること」自体が喜びになっていきました。
バックが仕上がると「次はもっとこうしてみよう」と自然に工夫したくなり、学ぶことが増えていきます。

失敗もあります。縫い目が曲がったり、サイズを間違えたり。けれど、その失敗もすべてが経験になり、次へのステップへとつながっていく。そんな実感が持てるようになったのです。


7. 誰かに渡せる幸せ、そして未来への思い

バックを作り続けていると、「これを誰かにあげたいな」と思うようになりました。売れなくてもいい。大切な人にプレゼントできるなら、それだけで嬉しい。

そう思えるようになったとき、作ることの意味が「自分の喜び」から「人とのつながり」へと広がっていきました。誰かが使ってくれることを想像すると、それがまた次のやる気につながります。

未来のことはまだわかりません。でも、「ただ作ろう。作りたいものを作ろう」──そう思える今の気持ちは、老後の不安を前向きに塗り替えてくれるものになっています。


8. 土日の朝、私を支えるハンドメイド時間

特に好きなのは、土日の朝。外の空気がすがすがしく、少し早起きしてミシンに向かうときのあの時間です。
朝の光の中で、まだ静かな部屋に響くミシンの音。心が落ち着き、「今日も一日頑張ろう」という気持ちになれます。

この習慣は、今の私の生活に欠かせないリズムとなり、心を支えてくれる存在です。

9. ハンドメイドを始めるには?初心者向けのヒント

ここで少し、私の経験から「ハンドメイドバックの始め方」をまとめてみたいと思います。

① 道具をそろえる

最初から高価なものをそろえる必要はありません。家庭用のミシンで十分です。
最低限必要なのは、

  • ミシン
  • 裁ちばさみ
  • 針と糸
  • 定規やチャコペン
    この程度でも、立派にバックを作り始められます。

② 小さな作品から挑戦する

最初から大きなトートバックや凝ったデザインに挑むと挫折しがちです。
私が最初に作ったのは、小さなシンプルなバック。これが完成したときの感動が次への原動力になりました。

③ 教えてくれる人や情報を見つける

私の場合は、身近にバック作りをしている方がいて声をかけてもらったのが始まりでした。
もし身近にいない場合は、YouTubeや本、オンライン講座などで学ぶのもおすすめです。最近は初心者向けの分かりやすい教材もたくさんあります。

④ 完璧を目指さない

「縫い目が曲がったらどうしよう」「売り物みたいに綺麗にできない」と思うと手が止まってしまいます。
最初はうまくいかなくても大丈夫。少しずつ上達していく過程を楽しむことが大切です。


10. これからハンドメイドを始めたい方へ

もし今、時間はあるけれど「やりたいことが見つからない」「老後に何をしたらいいのか分からない」と思っている方がいたら、ぜひハンドメイドを試してみてください。

針と糸、ミシンがあれば誰でも始められます。
「作る」ことは心を前向きにし、完成したときの喜びは年齢に関係なく感じられるものです。

大切なのは「楽しむこと」。
自分のペースで、少しずつ、自分だけの作品を作ってみてください。


11. まとめ──老後の不安から喜びへ

再雇用で不安を抱えていた私が、偶然の出会いからハンドメイドバック作りに夢中になりました。

  • 出会いがきっかけで挑戦できたこと
  • 小さなバックの完成から得た感動
  • 作る喜びが日常に彩りを与えてくれること

これらの体験は、私にとって老後の不安を乗り越える大きな力になっています。

もし同じように「この先どうしよう」と不安を抱えている方がいたら、ぜひ「作る」世界に一歩足を踏み入れてみてください。
「まずは私にもできそう」──その気持ちが、新しい人生の始まりになるかもしれません。

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