「子は宝」──61歳の私が気づいた、子供に守られる幸せな日々

「お母さん、もう老人やん」「メガネ、ちゃんとかけて」
そんな言葉を子供からかけられるようになりました。
それは冗談交じりのやさしい指摘ですが、その中には“私を守らなきゃ”という気持ちが込められているように感じます。

61歳の今、頼もしい子供の声が本当に嬉しい日々。
かつては私が「大丈夫？」「気をつけてね」と声をかけていたのに、今ではその立場がすっかり逆になっています。

思い返せば、子供が小さかった頃。
私は毎日、忙しさに追われながら、つい声を荒げてしまうこともありました。
大きな声で叱ってしまった日もたくさんあります。

あの頃の私は、子供と一緒に過ごす時間を「こなす」ことに精一杯でした。
もっと余裕をもって接することができていたら──
そう思うことが、今では反省として胸に残ります。

ふと、こんなことを考える日があります。
「うちの子は、幸せを感じることがあるのだろうか？」
「“お母さんと過ごした日々は幸せだった”って、この先言ってくれる日が来るのだろうか？」

できれば、死ぬまでにその言葉を聞きたい。
親としての願い──それは、とてもささやかで、でも心からの思いです。

携帯電話やパソコン。
61歳の私としては、使いこなせている方だと思っています。
けれど、やっぱり分からないこともたくさんあります。

そんなとき、子供がさりげなく教えてくれます。
今では私の“先生”のような存在。
優しく導いてくれるその姿に、頼もしさと成長を改めて感じます。

こうして思いを綴りながら、今日はふと「伝えたい」と思いました。
「子は宝」だと、改めて。

若い頃の私は、子供と一緒に過ごす時間をただただこなしていました。
ごはん、洗濯、送り迎え…毎日がセッセッと流れていく日々。
子育ては決して楽なものではありませんでした。

でも、今、思うのです。
「子供がいてくれてよかった」と。

今、子育てに奮闘されている皆さんへ。
いつかきっと、こんな穏やかな日がやってきます。
今は目の前のことで精一杯かもしれませんが、その積み重ねは必ず宝になります。

人生、まだまだこれからです。
死ぬことなんて、まだまだずっと先。
だからこそ、今を大切に、楽しく、心豊かに生きていきましょう。

締めの言葉

子供が成長していく過程で、親もまた変わっていきます。
「親を超える子供」は、親が育ててきた証。
それは決して寂しいことではなく、とても誇らしいことだと、私は今、心から思えるのです。